存星松虫香合 ぞんせいまつむしこうごう

存星松虫香合
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
存星松虫香合
存星松虫香合

 存星とは、彩漆で文様を描き、その輪郭を線彫りして沈金を施したもの。その称は作者の名に発しているが、今日では塗物の種類名となっている。
 中国明代の初期から中期にかけてのものを上作としており、わが国には東山時代頃から請来され珍重された。
 この香合は薄い一文字形で、色彩は比較的単調ではあるが、絵文様は精密で、古石にそって繁る樹木の下にすだく虫をあしらい、総体の暗色をきかせた画面構成の手法がまことに面白い。側面には点々と花文様の彫りがめぐらされている。
 存星の作品としては、奈良松屋伝来の「松屋肩衝」とともに伝えられた菱の盆が著名であ
【寸法】 高さ:2.1 口径:8.5 胴径:9.1 重さ:50.8

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