折撓めで、手強い直腰の節下は腰蓑をなし、佗びた茶杓である。
筒はごまおおしてうちのみつね竹の上下を削り細め、面取りし、歌銘は凡河内躬恒の歌で「白菊 心あてにおらばやおらん初霜のをきまどはせるしらぎくのはな蓬雪」と二行書している。
小堀権十郎は名を政尹、号を蓬雪、遠州の二男である。
はじめ母方浅井氏を嗣いだが、のちに小堀姓に復す。
江戸小姓千石を賜わり、茶・書を父に学び、和歌・絵画にも堪能。
元禄七年八月四日没、七十歳。
【付属物】 外箱 桐白木、書付松平不昧筆「白菊茶杓篷雪作」
【寸法】茶杓長さ17.3 幅0.6~1.0 厚さ0.3 筒長さ20.0 径2.4