仁清玄猪包香合 にんせいげんじょつつみこうごう

仁清玄猪包香合
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
仁清玄猪包香合
仁清玄猪包香合

 古く旧暦の十月、上の亥の日に、宮中では亥の子の祝いといい、亥の刻に亥の子餅(玄猪餅)をついて食べたが、女官たちにも下賜されて配られ、それを包んだ畳紙を玄猪包ともいった。
 この香合はその形を写したもので、白釉を一面にかけ、色水引を四方から十文字に結び合わせた間に、銀杏の葉一枚を青釉で挿し挟んで、みやびな上つ方の包み物の姿をよく表わしている。身の内釉は総青で、盆付に小印を捺している。
 仁清がこの意匠に着目し、しかもやきものとも思えぬほどに薄く正しい四方に焼き上げた技量はさすがである。
【伝来】 益田家
【寸法】 高さ:2.1 口径:(内) 9.3~9.5、(外)10.3~10.7 重さ:129

前に戻る
Facebook
Twitter
Email