竹屋町裂 たけやまちぎれ

竹屋町裂
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鶴田 純久の章 お話
竹屋町裂
竹屋町裂

江戸時代。
名物裂。
元和年間、堺に来た明人から松屋某・銭屋某の両人が織法を伝授され、京都竹屋町で渡来品に劣らぬ和製の金紗を織り出したので、これを竹屋町裂と称している。
これは紗地に平金糸を縫い込んで紋様を現わした裂の総称で、紋様・地色は定まっていない。
伝説によると織部が竹屋町裂を織らせたとするが、彼は元和元年六月十一日に自刃しているから無理で、織部が表具に用いたのはいわゆる「織部紗」であり、明製の金紗であったと思われる。
『槐記』には「竹屋町裂」の名称は享保頃はじめて現われるから、竹屋町裂と織部紗とを同一視することは困難である。
この裂のもつ感覚は瀟洒で、特に意匠にも軽妙さがみられる。

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