伝周文筆、横川景三賛。
日本における禅林所縁水墨山水画は、十五世紀にじょせつって足利義持の時代になると、図上に賛語をともなった詩画軸形式の作品を盛行させた。
これは中国にならって禅宗寺院の格式を定めた五山の制度が確立され、この五山を中心とした文化活動が行なわれるにしたがって、詩画一致を試みたところの詩画軸の成立をみたのである。
やがて院体山水画風を意識的にとり入れ、如拙・周文によって完成され、次第により鑑賞的なものへと発展していく。
本図もその一典型であり、賛者は当代著名な五山禅僧、周文は相国寺の都管職にあった。
【寸法】 全体 縦123.0 横34.8