伝聖武天皇筆。
『賢愚経』断簡(手鑑『碧玉』)。
これは『賢愚経』無悩指鬢だび縁品第五十七の巻頭部分で、料紙は荼毘紙(実際には香紙)と称する胡粉地の唐紙が用いられている。
「大和切」とも呼ばれ、天平時代の写経生によ大字(一行十三字)の写経であり、聖武天皇(701~1756)の宸筆と伝えられ「大聖武」と称している。
また手鑑の第一頁に必ずこの切を押すこ約束とされている。
東大寺に伝来するこの写経(巻十五の完本)は聖武天皇の勅願であり、力強い天平様式の書風を代表するものである。
同じ唐紙に小字で書写されたものは「小聖武」、中字のものは「中聖武」と称している。
【伝来】古筆家
【寸法】本紙縦27.3 横14.5