白河切 しらかわぎれ

白河切
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
白河切
白河切

伝西行筆。
『後撰集』巻十断簡(手鑑『谷水帖』)。
陸奥国白河から出たので「白河切」と命名され、また江戸で分割されたから「江戸切」「江戸西行」の名もある。
もと胡蝶装の冊子本で料紙は楮紙、伝西行筆「曽丹集切」に類似した同時代の書写になる古筆切である。
行間をつめて紙面いっぱいに、字形に拘ることなく、肥瘦のはなはだしい線で書いている。
太い部分は側筆で、抑揚の変化もすばらしい。
運筆にも速さがあり、流動的で明快な書風といえる。
ほかに伝西行筆には『詠草切』 『落葉切』『五首切・三首切』『月輪切』『御裳濯川切』などあるが、仮名の真筆は『一品経懐紙(円位)』のみ。
【寸法】本紙―縦18.2 横15.5
【所蔵】逸翁美術館

前に戻る
Facebook
Twitter
Email