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千利休 茶杓 共筒 天正二年春

千利休 茶杓 共筒 天正二年春
千利休 茶杓 共筒 天正二年春

紀州徳川家伝来

茶杓
利休型として完璧といってよい。櫂先鋭く、腰高く、凜然たる造形はさながら利休その人に接する感がある。古竹であるが、稀なる美杓で、宗易時代の脂ののった作たること疑うべくもない。


真筒で、口印をけら判で締め、溝の深きが景色となって、底近く、「宗易」の名のあるは珍しい。あまりに薄作なるがゆえに窠穴を生じた。利休時代の筒はすべて薄作で破損しやすく、鎧を打ったり桜皮巻きしたものが例外なく性がよい。「天正二年春」の記年入りも珍重されてよい。この年は信長生存中であり、『信長記』には同年十月二十八日に、信長は堺の町人十七人を妙光寺に招いて茶会を催し、「茶道者宗易」と特記されている。時に利休は54歳の円熟期である。

付属物
内箱 桐 白木 書付 覚々斎原叟筆(花押のみ)
同蓋裏 書付随流斎宗左筆「利休作 筒トモ年号名判アリ 佐(花押)」
中箱 杉 白木 いわゆる紀州箱 書付 如心斎宗左筆
「印 御杓 利 筒共名判年号 随流覚々箱書付 左(花押)」
添幅 大徳寺春沢和尚筆
極状 大徳寺牧宗和尚筆

所載
茶杓三百選

寸法
茶杓
長サ17.4cm
幅0.5―0.95cm
厚サ0.25cm

長サ20.3cm
径2.3cm

添幅 大徳寺春沢和尚筆

千宗左家伝蔵利休所製之茶杓、或時献紀伊祖公、々愛之有日矣後復賜宗左々告余請記此事。余云、出乎尔者、反乎尔、有何言乎。雖然不得拒強求之心、竟作小偈走筆。出乎尔者。反尔随分。須納些々。渇飲如又知足。末必問趙州茶。
前大徳比丘春沢宗晃(二印)

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