錐呉器・切呉器 きりごき

Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

付属物
箱 桐白木書付 金森宗和筆
寸法
高さ:9.5cm 口径:13.5~14.2cm 高台径:5.8cm 同高さ:1.3cm 重さ:435g

 とくに錐呉器としての特色は乏しいが、無疵で、掛けはずしや漆み出た雨漏りの景や、一条の火間も捨てがたく、胴の外部の中ごろのきりっとした箆の一線は、器全体を引き締めていて趣があり、茶味に富んだ碗です。

朝鮮産の呉器茶碗の一手。
種々の説があるが大体次の四種に分類できよう。
1)見込の茶溜まりが深く凹んで錐の頭で突いたような景色のあるものです。
琥轜は魚屋に似て釉色は青味がかり、時に赤・黄の火変わりがあります。
2)胴または高台脇に二筋・三筋のまるで錐でえぐったような筋のあるものです。
土は青井戸に似て赤味のある鼠色、釉は井戸脇に似た黄色がかったものです。
この釉立ちの呉器は筋目がなくても錐呉器といいます。
3)高台と口とをすっきりと切り取った形のものです。
4)切高台の呉器。
あとの三者はその釉色が相似ています。
以上いずれも形は呉器、すなわち丈が高く、見込が深く、高台が高く、かつ外に開いています。
(『万宝全書』『茶器目利集』『陶器集解』『高麗茶碗と瀬戸の茶人』)

前に戻る
Facebook
Twitter
Email