略伝
織部門下、勝之の男、名は真勝。家康・秀忠・家光の三代に歴仕し、晩年京都紫野大徳寺内に寸松庵を結び、 寸松庵・山隠宗可・匿藪斎の号を用いた。
堺南宗寺のふすまに張った伝貫之色紙を集めたのが、いわゆる寸松庵色紙であり、寸松庵の敷石に織部焼を用いたり、数奇大名として知られる。猫を愛し、探幽に愛猫の画像がある。
寛永十九年（1642）十月二十二日没、73歳と伝える。
茶杓
白竹を用いているが、杓型に大した特色が見られぬ。大名杓らしく手強さより、むしろ気品に富む点で石州型の先軀とも見られる。
筒
いかにもりっぱである。おそらく筒のりっぱさでは、石州の「有明」、遠州の「くせ舞」と優劣つけがたい。特に眼をひくことは、節を上二分の位置において、この節を削って小さく「将」一字書していることは異色である。下六分のあたり黒の斑文美しく削り目にも異彩を放っている。
付属物
箱 桑被蓋 題箋 桐はめ込 書付 松平不昧筆「佐久間茶杓」
譲状 松平家
所載
雲州蔵帳（佐久間将監位三枚） 茶杓三百選
寸法
茶杓
長サ17.1cm
幅1.05cm
筒
長サ20.0cm
径2.7cm
