Dish with hibiscus and chrysanthemum design. enameiied ware
高さ8.4cm 口径32.0cm 高台径15.7cm
重要文化財
色絵鍋島尺皿のなかでは最も声価の高いものであり、また華麗な意匠の大皿ですが、器形は第5図よりも厚手で、口縁がまるく、少し内にかかえ気味に成形された、一般に見る尺皿通例の作行きです。
見込みいっぱいに、芙蓉に菊をあしらった図をあらわしていますが、染付のだみがやや濃く焼き上がっています。しかし、線描きはのびのびとして確かであり、赤、緑、黄の上絵具の発色も良好です。他に一点、同様の構図の大皿が梅沢記念館に蔵されていますが、塩原又策氏の旧蔵であるこの皿の方が作行きは整美です。外側には、大河内窯の代表的な裏文様である七宝結文を三方に、高台には櫛目文がめぐらされています。焼造年代は元禄、享保の間でしょう。