織部沓茶碗 おりべくつちゃわん

織部沓茶碗
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鶴田 純久の章 お話
織部沓茶碗
織部沓茶碗

古田織部は利休の高弟で、武将茶人だが、利休七哲の中に加えられていない。織部の「茶」が利休と正反対の、能動的で現実的なものであったため、後世の反感を買ったのであろうか。利休の内向的で思索的な好みに対し、織部はいかつく、大きい、動きのある器物を好みました。初期楽茶碗とこの茶碗を比べて、利休の静と織部の動がみてとれます。黒和の一部を細い線で文様を掻き落とし、釉をかけて焼成していますが、こうした文様のある織部を黒織部といって、文様のない織部黒と区別しています。《付属物》箱-桐白木、書付本阿弥空中筆《寸法》高さ7.2~7.6 口径9.0~13.5 高台径4.7~5.3 同高さ0.5 重さ475

織部沓茶碗
織部沓茶碗

古田織部は桃山後半期を代表する武将茶人であった。
したがってその好みは武張ったもの、能動的なもの、活力にあふれたものがあり、利休の中世的な静謐とは正反対のものであった。
「織部沓茶碗」は、その織部好みをよく体現した作品といっていいだろう。
沓とは古代・中世日本の木沓のことで、茶碗の形がこれに似るところから沓茶碗と呼ぶ。
釉は黒釉と白釉の二種をかけ、その二重がけ部分も含めて三段に変化があり、黒白二釉で輪と線の文様を構成している。
武骨な器形と抽象文様が不思議によくマッチしている。
【寸法】高さ7.2~7.6 口径9.0~13.5 胴径12.3~13.2 高台径4.7~5.3 同高さ0.5 重さ475

織部沓茶碗
織部沓茶碗

同じ黒釉を使いながらも、器体の一部に絵文様のあるものを黒織部茶碗、器体総体に黒釉をかけたものを織部黒茶碗と呼び区別する。
器形は胴で一度しぼり、高台は瀬戸黒のように小さく丸い。
腰の直角なところも瀬戸黒に似て、瀬戸黒から織部の沓形へ移行する中間に位置する茶碗であろう。
箱書は古田織部筆と伝え、 「くろちやハん」と記されている。
胴をしぼったという造形から、初期の楽茶碗とのつながりも考えられて、茶情深い茶碗である。
【付属物】箱-桐白木、書付古田織部筆
【伝来】古田織部1松井佐渡守康之-‐長岡佐渡守直之
【寸法】高さ8.2~8.7 口径12.0~12.8 高台径5.4 同高さ0.6 重さ495

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