岐阜県土岐市泉町久尻の清安寺より発見された、美濃焼の発祥および沿革を記した古記録。
正しくは『瀬戸大竃焼物並唐津竃取立之来由書』でありますが、一般に『清安寺文書』あるいは『唐津竃取立由来書』として知られています。
奥書にみるごとく貞享年中(1684~88)のもので、現在判明している瀬戸および美濃古窯関係のまとまった文献としては、おそらく最も古いものに属し、かつその内容も信憑するに足る好資料とされています。
従来の写本には誤りなども相当にありましたが、近年加藤唐九郎により原本が発見されました。
なお本文中の瀬戸竃所之次第とあるものは、寛文年間(1661~73)刊行の『茶器弁玉集』のそれと相通じる点が少なくなく、なんらかの関連があるかと思われます。