井上良斎 いのうえりょうさい

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鶴田 純久の章 お話

東京の陶工。
本名良吉、1828年(文政一一)尾張国(愛知県)瀬戸に生まれました。
嘉永年間(1848-54)同国犬山に移った壕仙堂川本治兵衛の窯で従業し、その後江戸四谷(新宿区)の松平摂津守の邸に入り同所の陶工として数年を過ごしました。
文久年間(1861-4)に下谷新町(台東区)の石川邸で楽焼に従事し、1866年(慶応二)から浅草橋場町(台東区)で開窯して東玉園良斎と号し、瀬戸原料でもっぱら美術品や輸出品をつくりました。
島田惣兵衛・太田万吉・起立工商会社・精工社などがこれを取り扱い、明治期の東京磁器の有力者として世に知られています。
二代目は横浜に移って遺業を継いでします。
三代目良斎は1888年(明治二こ横浜で生まれ彼もまた遺業を継いでします。
1971年(昭和四六)2月6日没、八十二歳。
晩年に日本芸術院会員となりました。
(『日本近世窯業史』)

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