松本萩 まつもとはぎ

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鶴田 純久の章 お話
松本萩
松本萩

長門国(山口県)萩の陶器。
寛文(1661-73)頃に大和三輪の大吉兵衛(のち三輪を姓とする)が萩に来て藩主毛利氏に仕え製陶に従事。
のち休雪の号を賜り松本の地に窯を築き、楽焼・萩焼を兼製しました。
その作品は土質は緻密で釉色は淡白に青を帯びたものがあるようで、釉の止まるところに必ず溜まりがあるのを常とします。
休雪作を松本萩・松本焼といって旧製の萩焼と区別しますが、世間では坂窯も含めて松本萩と呼んでいます。
子弥平は藩主の意向で萩焼の坂氏の弟子となりました。
以後みな休雪を襲号し業統を継いですが、享保(1716-36)・明和(1764-72)間の四代休雪は非常な良手と称されました。
1885年(明治一八)当時の泥介は八代に当たります。
画を押し型で抜きこれに呉須を点じ、その上に掛けた白釉に小ひびが出るのは松本萩の一特徴であるといわれます。
しかし松本焼・松本萩といってもただ時代の区画であって、世に出ると一様に萩焼と称されます。
(『陶器考付録』『本朝陶器孜証』『茶道笙蹄』『工芸志料』『府県陶器沿革陶工伝統誌』『工芸鏡』『陶器類集』『日本陶甕史』)※はぎやき

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