Maya土器 マヤ土器 まやどき

Maya土器
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鶴田 純久の章 お話
Maya土器
Maya土器

中央アメリカのユカタン半島の南部において新大陸で最も発展した文明に属する土器。
四世紀から十世紀頃の旧帝国時代(古典期)には短い頚をもった球形の貯蔵用土器が多く用いられました。
表面はスリップが掛けられ、黒・赤・オレンジ色などで彩色されます。
黒色土器には刻文がみられ、赤色土器は張り出しや、縁を外に折り返したりしています。
宗教用の土器はツァコル期(三一七-633)でみられますが、クリームまたはオレンジのスリップの上に赤や黒で文様が描かれています。
蝋抜きの技法も用いられました。
平底の丸い鉢が代表的で、浅く縁を外に反らせ、時にはつば付きの底もあります。
古代アメリカの脚壺は一般に三足ですが、マヤでは四足があります。
文様は幾何学文や高度に形式化されたものが多いようです。
黒い帯状部や波型文かおり、ジャガー・蛇・魚などをモチーフとしたものもあります。
テベウ期(633-73)になるとマヤ文明の高度な展開に対応して複雑であります。
背の高い筒型の壺、膨らみのある球根型のものが特徴的で、三足器も多いようです。
装飾として薄いレリーフがあるようで、神聖文字のバンドで鉢の側面を飾るものがありますが、形はほとんどくずれています。
そのほか宗教生活を表現した文様があるようで、怪獣・動物・幾何学文様も一般的であります。
(Bushnell『Ancient American Pottery』)

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