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鶴田 純久の章 お話

陶磁器の表面に極めて薄い金属の被膜をつくり、光の干渉により虹彩を生じる絵具をいいます。
ラスターはその色により有色ラスターと無色ラスターに分けられます。
有色ラスターには鉄・銅・マンガン・コバルト・カドミウムーウラン・金・白金などのラスターかおります。
無色ラスターにはアルミニウム・亜鉛・鉛・錫・蒼鉛・チタンなどのラスターがあります。
無色ラスターでも薄膜による光の干渉のためかなり濃い虹彩を現すものがあります。
ラスターハー般に金属の樹脂酸塩を適当な溶剤に溶かしてつくられ、貴金属ラスターは金液・白金液を蒼鉛ラスターと混合してつくられます。
この技法は九世紀にメソポタミアで行われ十世紀にはペルシアでも盛んでありましたが、最も多かったのはエジプトであります。
その後イスラム圏の拡大につれて地中海沿岸に広まり、今日でもスベイン・ポルトガルに技法が残存しています。
これは陶器に強い金属的な輝きのある文様を与え、金属器を用い得ぬ庶民を満足させるものでありました。

釉の表面に生じる、鈍い虹色の光彩をもった皮膜化現象。炭化焼成による強還元や冷却中の還元によって、鉛釉やアルカリ釉で生じやすいです。
白釉陶器を焼き上げた後、金、銀、銅などを含む顔料で文様を描き、低火度で焼きつけた陶器。9世紀にメソポタミアで始まり、西アジアで盛んとなりました。

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