Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

料は中国旧製の琉璃質をいい、料款とは釉上にエナメルで施した款識。
特に官窯のものを指す。
清朝康煕(1662-1722)末年に始まり嘉慶(1796-1820)初年に終わります。
料款のあるものは清朝の甕品中で最も高貴なものとされます。
料款には某某年製というのと某朝御製との両種があるようで、たいてい四字のものが多く、また大清の二字を加えて六字のものもあります。
書法は欧王に似ており、また虞永興および宋梨に似たものもあります。
宋体の書を用いるものもあるようで、乾隆の末葉には鉄線篆を用いたものもあります。
料款の字はすべて釉汁が凸起し双圏方辺であるものを尊びます。
康煕・雍正・乾隆・嘉慶の四朝にはみなこれがありますが、嘉慶のものは極めてまれであるようで、道光(1821-50)のものに至ってはほとんどないようです。
康煕の款の多くは粉紅釉を用い、雍正以降はみな藍料釉を用います。
寧晋斎・寧静斎・宝嗇斎などの斎銘もやはり堆料を用いています。
この種の官窯でないものを私家堆料款と名付けます。
(『匋雅』『飲流斎説甕』『陶器集解』)

前に戻る
Facebook
Twitter
Email