インダス文明の土器 いんだすぶんめいのどき Indus

Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

西パキスタンからインド西北部にわたるインダス河流域には、紀元前三千年から同千七百年にわたる古代文明が開けていました。
その中でもモヘンジョーダロ(シンド地方)、ハラッパー(パンジャーブ地方)の都市遺跡は特に有名であります。
これらの都市の家屋は規格的に生産された煉瓦で築かれ、排水設備などにも陶管などの陶製品が多く用いられました。
生活用品にも尖底壺・皿・盃などの土器がみられますが、彩文土器もつくられています。
成形には轆轤が用いられ、赤地に黒の細密な文様が付けられています。
文様の多くは器物の表面をバンドで区切り、その中に孔雀・山羊などや植物を配したもの、あるいは幾何学文が描かれています。
そのほか有名なのはテラコッをはじめ車などの模型もあります。
人物像は男女それぞれの特徴を強調した表現であり、模型とあいまって儀礼用具でありました。
この種のテラコッタ小像は、のちの歴史時代の遺跡からも多く出土します。

前に戻る
Facebook
Twitter
Email