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鶴田 純久の章 お話

注ぎ口の付いた鉢。本来は油・酒・醤油(しょうゆ)などを入れて用いた雑器ですが、懐石で香物鉢に用い、小振りのものは茶碗に用います。一般に瀬戸系のものは注ぎ口の上に縁がなく、唐津系のものには縁があります。注ぎ口を欠き共繕いしたものを「繋ぎ駒」、穴の残ったままのものを「放れ駒」ということがあります。,

台所用具の一つ。鉢の一方に注ぎ口があるもの。油・酒・醤油(しょうゆ)などの液体を口の小さい容器に移すときに、液が器外に漏れないように直接に容器にいれずに、まずこの片口にとり出してから徳利などに注ぎ分ける為(ため)の容器でした。
そのような用途の台所用品だった片口を、正式の懐石の場に取り上げた昔の茶人の粋(いき)を感じます。
一般に尾張地方(愛知県)及びその系統の片口は縁を曲げて片口造りをしていますが、唐津の片口は新た,な土で片口を造り穴を開け接着する作り方をしています。
この片口の造り方は唐津が日本では最初のようで片口と唐津とが代名詞ともいえるでしょう。,
片口の口は、昔は用途として作っていたのですが、今日ではほとんど装飾的な意味合いで作っているのが多いようです。
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なお、茶道において片口を侘びの茶碗に用いることがありますが、これはほとんど唐津の茶碗に限られているようです。

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