砧青磁 きぬたせいじ

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鶴田 純久の章 お話

砧(きぬた)青磁は中国の南宋前期時代、龍泉窯で焼かれた、やや濁りがあって青味の強い青磁釉の総称です。
龍泉窯は規模が大きく、浙江省南部の龍泉県に23箇所あり、その中には全長80mを越える龍窯もあります。
砧青磁は、厚く釉のかかった特色ある青磁で、無文、線刻、貼花など意匠で国内向け日常雑器が造られていたのと同時に、海外向けの優れた作品が、日本を始めアジアにも多く輸出されていました。

砧青磁 きぬたせいじ

中国浙江省の竜泉窯産の青磁の一種に対するわが国での俗称。語原は、ある鯱耳の花生に割れがありこれをで止めてあるのを利休が見て響きがあるといったためという『槐記』の説が知られているが、一説には東山慈照院にあった花生が絹を打つ砧の形に似ているのでこの名が出たともいう。いずれにしろそれらに類する竜泉窯で南宋時代につくられた粉青色の青磁全般を指す語となった。ちなみに南宋後期から元にかけてのものを天竜寺青磁、明代のものを七官青磁と呼んでそれぞれ区別している。

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