九谷焼の発祥は、今からおよそ340年前の明暦年間(1655~57)にさかのぼります。
加賀藩の支藩大聖寺藩の殖産興業の一環として領内の鉱山開発に着手した初代藩主前田利治が、江沼郡九谷村の金山で磁鉱が発見されたことを知り、金山の錬金術師だった後藤才次郎に色絵磁器を焼くことを命じたのが始まりといわれています。
才次郎は、当時既に磁器の産地として知られていた肥前(佐賀県)に赴き、酒井田柿右衛門によって完成された赤絵の技術を習得しました。
そして有田の工人を連れて帰国すると直ちに九谷に窯を築き、加賀の工人田村権左右衛門らを指導して色絵磁器製造に着手したようです。