高さ14.9cm 口径17.5cm 底径15.9cm
その作振りは朝鮮唐津の水指とよく似ています。また底の三方に貝の置跡を残しているのも珍しい。広い口部は矢筈口風に胴裾で一段引き締め、底部は円座風にしています。肩から胴にかけて糸目風に線彫りをめぐらし、口部から胴にかけて飴釉をかけていますが、釉なだれがおもしろく、釉膚は艶やかに溶けています。底に朱漆の直書で「コケシミス左(花押)」と表千家九世了々斎が書付しています。これも江戸時代前期の作と思われるが、丹波焼水指としては優れたものの一つであります。登窯の築窯に関連してか、このような唐津風のものが焼かれています。