高さ4.5cm 口径16.6cm 底径8.9cm
湯木美術館
やや浅い平らな鉢の見込中央に、福の字一字をくっきりとあらわし、まわりに輪花を線彫りした意匠は、どこか中国的な趣があっておもしろい。その上下に花唐草を彫り、大きく.胆礬が点じられ、.胆礬の濃い発色は、滑らかな油揚膚の黄釉地に鮮やかに映えて美しい。
さらに、この鉢を印象づけるのは端反りになった姿の良さで、形と文様がまことによく調和して好ましい。縁にはやわらかい線彫りで網代文をめぐらし、間に花唐草を配しています。しっとりとした裏面の釉膚には抜け胆罪がほのかにあらわれ、高台内の釉形はほんのりと焦げています。