瀬戸黒 茶碗 銘小原木 094

瀬戸黒 茶碗 銘小原木 094

高さ8.8cm 口径10.2cm 高台径5.0cm
 瀬戸黒茶碗の代表作としてやかましいもので、利休所持と伝えられています。瀬戸黒には筒茶碗は少なく、管見のかぎりではこの茶碗と「冬の夜」「日松」ほか一、二を知るのみであります。外箱の蓋裏に、筆者不詳だが「此茶碗江戸より来ル 此瀬戸黒者奇妙之作也 世無二者也」と記されているが。たしかに、いわゆる瀬戸黒としては箆目を駆使した作為の強い茶碗で、むしろ織部黒に近い作行きであります。
高台は低く腰は張って筒形に立ち上がり、口造りは端反りぎみで、緩やかな起伏をつけています。もちろん轆轤成形したものだが、胴は箆目を駆使して手提ね風の姿にして、口緑内側にも箆をめぐらし、腰にも浅く面取り箆をつけています。低く引き締まった高台は、一方が厚く他方は薄く、中に大きな兜巾が立って妙味ある作行きであります。
土は灰白色のざんぐりとした土だが、腰から高台にかけて褐色の焦げを見せ。光沢のある漆黒の釉がかかっていますが、見込は茶褐色をおぴています。
 「小原木」の銘は、洛北の小原(御原または大原)から出された薪を、一名黒木とも呼ぶのにちなんで小原木と名付けたのでしょう。素朴な溜塗りの曲物におさまり、蓋表に黄漆で「小原木」と書され。その筆者は利休と伝えられています。外箱蓋表には「瀬戸黒茶碗」と書されています。赤星家、益田鈍翁などを転伝しました。

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About the author : Yoshihisa Tsuruta

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