酸化コバルトを主成分とする染付(青花)に用いられる顔料。中国では青料といいます。
還元焔により藍色を呈し、酸化させると黒味を帯びます。コバルト鉱が風化して水に溶けて沈殿し、鉄、マンガン、ニッケルなどの化合物が自然混合した天然のコバルト混合土。これらの化合物が多いほど黒くなります。
日本では産地の浙江省紹興地方が古くは呉の国と呼ばれたため呉州(ごす)と呼び呉須と書いたとされます。
元朝(1279~1368)末に、西域よりスマルト(酸化コバルトを4~6%溶かし込んだ濃紺色のガラス)、中国で「蘇麻離青(そまりせい)」と呼ばれる鮮やかな青藍色を発する青料が招来し、景徳鎮で使われましたが、明朝成化年間(1465~87)に輸入が途絶え「土青(どせい)」といわれる中国産の黒ずんだ青料が使われるようになります。
明朝正徳年間(1506~21)からは、西アジアより「回青(かいせい)」と呼ばれる、明るい青藍色のものが輸入され、嘉靖(1522~66)、隆慶(1567~72)、萬暦(1573~1619)の青花に主として使われます。