金森丸壺 かなもりまるつぼ

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鶴田 純久の章 お話

大名物。
唐物、丸壺茶入。
もと金森出雲守可重が所持していたことからこの名があります。
丸く肉厚く一種の口造りはまったく他と異なり、その甑が高いために容姿は極めて見事で、釉色は紫・黒色ともに冴え冴えとして景色のおもしろい茶入であります。
もと豊臣秀吉が所持していましたが、朝鮮の役のおり名護屋の本陣で名物延寿の刀と共に金森可重に下賜され、のち徳川幕府の所有するところとなりましたが、1644年(正保元)正月毛利秀元が将軍家光の命により西の丸において茶を点じた際、尊円法親王のいろは一巻を奉ったところ、家光は非常に喜びこの茶入を賜りました。
その後さらに佐久間直勝、その養子分大草主膳正と伝わって、以来大草家に伝来、享保(1716-35)初年に同家より大阪鴻池家に譲り渡されました。
(『大正名器鑑』)

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