下野国那須郡大山田村小砂(栃木県那須郡那珂川町小砂)の陶器。
かつて天保(1830-44)初年水戸烈公がこの地に陶土を発見し、水戸で藩政の陶磁器業を開始したことがありました。
1854年(安政元)9月同村の藤田半三郎・大金彦三郎が藩命により、かねて常陸国茨城郡宍戸町(茨城県笠間市)の山口勘兵衛の下に陶工であった斎藤栄三郎を招いて開業。
以来次第に盛んとなり1887年(明治二〇)頃には窯数十四、五基にもなりましたが、種々の弊害が起こって次第に衰退しました。
この間会津の岩田新吾、瀬戸の加藤重吉なども従事したことがありました。
(『日本近世窯業史』)
