近江国(滋賀県)甲賀郡信楽の古陶。この地の陶業は天平(729-49)頃すでにありました。弘仁時代(810-24)よりようやく現われ、半農半陶、農家の余業として種壺・種浸壺などを製しました。世に鱒あるいは鬼桶水指といって珍賞される壺などはこの頃の遺物であります。これらを古信楽と呼び、後世の茶人はこれを茶器に転用して賞翫しました。その質は粗く砂を含み、すこぶる堅焼で、素地は黄赤褐の間にあるようで、その上に透明淡青のビ一ドロ釉のまだらに出たものが賞愛されます。※しがらきやき