芙蓉手 ふようで

染付 蘭字花鳥文 大皿
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鶴田 純久の章 お話
染付 蘭字花鳥文 大皿
染付 蘭字花鳥文 大皿

日本が長崎・出島のオランダ東インド会社(V.O.C.)を通じて西欧へ有田諸窯の陶磁器を輸出していた時期の大皿。中央部に同社の蘭名VereenigdeOostindisheCompagnieの頭文字を組み合わせたマークを描き入れ、まわりに石榴(ざくろ)、椿と太湖石にとまる鳳凰を描きます。周縁部は放射状に分割され、中に牡丹文、石竹文をうめます。裏は無文、五つの針あとがあります。
同種の皿は、有田の大樽(おおだる)、猿川(さるかわ)、稗古場(ひえこば)の諸窯跡で数多く出土しており、かなりの量が焼成されたと推定されます。
最近の発掘調査で、この種の器の焼造は1690年代から18世紀初頭にかけてであることが明らかとなりました。
色絵の方は、ヨーロッパの窯で染付の上に赤絵と金彩が施された珍しい作例。
本器はオランダの旧家アレンベルグ家(Arenberg)の旧蔵品といわれ、同家の1701年の財産目録に記されているものと伝えられます。
両器ともにヨーロッパからの里帰り資料。

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