五徳目ともいう。器を重ね焼く際、相互の熔着を防ぐため耐火性粘土の五徳状のものまたは粘土の小塊を、三個以上多いものは七、八個までを間に挟む。そのため焼成後その痕跡を残す。五徳痕はすなわちこれである。あえて観とすべきものではない。また器物使用の際は不便なので、匣鉢の進歩と共に五徳跡は影を消したが、原始的な窯にはまだこれがある。五徳跡のある古製品は古雅な趣があるとして茶人に珍重される。
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