深川栄左衛門 ふかがわえいざえもん

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鶴田 純久の章 お話

肥前有田の陶家。諱は真忠、通称栄左衛門、深川家の第八代。1856年(安政三)家業を継ぎ、1868年(明治元)より輸出品をつくり長崎出島に支店を設けた。1874年(同七)さらにその大量生産を企て手塚亀之助・深海墨之助・辻勝蔵ら四人と香蘭社を創立しその社長に推され、1878年(同一一)フランスに渡ってわが国の磁器の紹介に努めた。1880年(同一三)社員の間に意見の不一致があり辻勝蔵らが別れて精磁会社を起こしたので、香蘭社は栄左衛門の単独経営となり、ヨーロッパから購入した蒸気力の製造機械を据え付け、電気絶縁具や国内・国外向けの精品をつくり大いに尽力した。1889年(明治二二)十月没、58歳。生前の功により1916年(大正五)特に従五位を追贈された。子の与太郎が九代を継ぎまた栄左衛門を名乗り、1916年緑綬褒章を賜わった。深川製磁会社を起こし深川忠次は九代の弟である。(『有田磁業史』『肥前陶家伝』)

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