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鶴田 純久の章 お話
須恵器 台付四連壺
須恵器 台付四連壺

Sue ware: four clustered jars on tall foot. Excavated from Futamata No. 1 Tumulus, Kami Ishizu-mura, Gifu. 6th century. Height 20.7cm.
岐阜県養老郡上石津村二又1号墳出土
6世紀
高さ20.7cm 口径6.5~6.9cm 最大径25.0cm 底径11.4cm
名古屋大学文学部考古学研究室
 須恵器の台付三連とともに、二又 1 号墳の石室内から出土したものです。四個の壺のうち、二個は無蓋、他の二個は蓋が融着しています。無蓋のものも、蓋をかぶせて焼いたことが肩の自然釉の被覆状況から知られますが、これに当たる蓋は見つかっていません。四個の壺は直立する短い口頸部をもった通有な短頸壺で、胴に二本の沈線をひき、その間に斜行櫛描文を入れています。四個の壺を支えるため台脚との間に透かしの入った受鉢をつくっています。台脚は図44の装飾須恵器とまったく同一で、千鳥透かしの入った太い筒型のものであり、透かしの間に櫛描波状文を入れています。上半の壺の部分は非常によく焼き締まって、濃緑の自然釉がたっぷりかかっていますが、台脚はやや焼きがあまく、灰白色を呈しています。
 このような同種の器物を多数接合した装飾須恵器はほとんど6世紀代に集中してつくられており、本来は器台あるいは大形高杯に載せて副葬したものです。副葬須恵器の明器化とともにこのような変型を生み出したものでしょう。須恵器 台付三連と同時作と考えられます。

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