須恵器 台付子持四連壺

須恵器 台付子持四連壺
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鶴田 純久の章 お話
須恵器 台付子持四連壺
須恵器 台付子持四連壺

Sue ware: four clustered jars on tall foot. Excavated at Otsuka, Toyota-shi, Aichi. 6th century. Height 48.0cm.Toyota Municipal Museum of LocalHistory.
愛知県豊田市河合町豊田大塚出土
6世紀
高さ48.0cm 直径37.0×38.0cm 底径22.0cm
豊田市郷土資料館
 挙母台地の南縁に築造された直径37.8mの豊田大塚古墳の主体部である横穴式石室内から多数の副葬品の一つとして出土したものです。蓋の上にの飾りをもった四個の壺を台脚の上に載せた装飾須恵器の一種です。蓋鈕のには孔はありません。壺を支える袋状の台には二重沈線の間に斜行櫛目文を、その下に櫛目波状文を、さらに前者の施文を繰り返しています。太い台脚には四本の沈線の間に櫛目波状文を施しています。砂室の粗い素地で、焼成はやや生焼けに近く灰白色を呈しています。蓋鈕のや蓋の形状からみて、6世紀初頭にその製作年代を求めることができます。この古墳からは本器のほかに台付四連杯三個を含む多数の装飾須恵器が出土しており、装飾須恵器が最も数多くつくられたのがこの時期です。同形の壺や杯を台脚の上に多数とりつけた須恵器はいうまでもなく明器ですが、死者に対する供献の食物の多からんことを示そうとした意図に基づくものでしょう。

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