須恵器 装飾付子持台付壺

須恵器 装飾付子持台付壺
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

Sue ware: Museum.Tokyotall-foot jar with animal arnament. Excavated at Isogami, Osafune-machi, Okayama. 6th century. Height 52.8cm. Tokyo National
岡山県瀬戸内市長船町磯上出土
6世紀
高さ52.8cm 口径 19.0cm 胴径17.6cm 底径23.8~24.8cm
東京国立博物館
 大きくラッパ状に開いた口頸部や長く延びて六段の透かしをもった台脚の形状からみて、この台付壺の製作年代を6世紀中ごろあるいは後半代に入るものとみたいです。口頸部の下段や台脚に施された文様も櫛目波状文ではなく、櫛歯を押しつけただけの簡略化されたものである点も、この台付壺がより後出的なものであることを示しています。壺の装飾は肩に一段の突帯を施し、その上に四個の小壺をとりつけ、その間に犬三匹と馬一匹を配しています。犬や馬の表現は粘土をひねっただけの簡単なつくりで、図47の装飾手法に似ています。
 馬は装具や尻繋などをつけた飾馬で、背の一部になにかとれた痕があるのは、あるいは人物が乗っていたのかも知れません。他の三匹の動物は一匹は犬ですが、他の二匹は首が長く、あるいは鹿であるかも知れません。このような広口壺を基本にした装飾付台付壺は主として西日本の古墳から出土しますが、とくに岡山県から多く発見されています。

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