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鶴田 純久の章 お話

Kōrin & Kenzan: hexagonal dish with design of Fukurokuju (god ofgood luck), iron brown under glazeMouth diameter 24.0X27.7cm Okura Cultural FoundationRegistered as Important Cultural Property
高さ3.2cm 口径24.0×27.7cm
重要文化財
大倉文化財団
 この六角の平らな皿も、光琳が絵付した合作物の代表作としてあまりにも著名な作品です。素地はやわらかく白い陶胎で、成形は型により、全面に白化粧がけし、その上に銹絵具で絵付した後に、透明性の釉をかけて低火度焼成しています。
 白化粧がけの技法は鳴滝時代に乾山がもっとも好んだ陶法ですが、それはあたかも紙の上で絵筆を運ぶのと似た効果が画面にもたらされます。そしてここでも光琳の軽妙な筆触が見事に生かされて、陶器の下絵付というよりもむしろ絵画として成立しています。左方に書された落款は 「光琳筆」 とあり、垂直に立ち上がった縁の内外に奔放に描かれた雲形の文様は、乾山の筆ではないかとみる人もいるが判然としません。平らな裏面は角に浅く面を取り、右に 「乾山」 の銘款が書されています。これまでこの作品のみが知られていましたが、近年次図の作品が発見され、しかもこの皿と対をなして作られたことが判然としました。

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