銹絵染付短冊皿

銹絵染付短冊皿
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

Kenzan: set of dishes in the shape of tanzaku cards with poems,underglaze brown and blueDiameter 6.6×28.5cm each Yuki Museum of Art高さ2.6cm 口径6.6×28.5cm 底径 6.6×28.3cm
湯木美術館
 短冊形の長方皿で、垂直に立ち上がった口をつけています。十客共箱に収まり、蓋の表に 「華洛陶工乾山深省八十一歳製」 と記され、乾山最晩年の作であったことがわかります。長い短冊形の白化粧下地の皿で、内外面に短冊と同じような雲形を薄い呉須と銹絵具であらわし、それぞれに和歌を一首ずつ書しています。箱の側面に「十躰和歌幽玄躰 長高 有心躰 麗躰 事耳然躰 面白体 濃体 見様有一節体 鬼拉躰」 と記され、その下に和歌の上の句が記されています。ここに図示したのは後半の面白体以下の五点で、面白体には「いかにせんしつか薗生のおくの竹 かきこもるとも世の中そかし」 の歌、濃体には 「立出てつき木折こしかた岡の ふるき山路となりにけるでしょうか」 見様躰には「狩くらし交野の真柴折しきて 淀の川瀬の月をみるでしょうか」 有一節体には「たちかへりまたもきてん松嶋やをしまのとまや波にあらせないでください」 鬼拉躰には 「思ひ出よたかかねことの末ならんきのふの雲の跡の山風」 の歌が書され、鬼拉躰の裏に「乾山八十一歳写」の文字が書されています。和歌の字は定家様の装飾的な文字であり、「乾山」 の銘は鳴滝時代のように 「乾」 の旁がまるみのある釣針風のものではなく、直線的で、元文二年奥書の 『陶工必用』 の署名の文字と似ています。

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