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鶴田 純久の章 お話
二彩 大皿
二彩 大皿

Two-color glazed ware: large dish. 8th century. Diameter 37.5cm.
8世紀
高さ5.5cm 口径37.5cm 底径28.5cm
正倉院
 正倉院には緑白二彩九点、白釉一点の 計十点の大皿があります。
 いずれもシャープな轆轤仕上げの端正なつくりで、素地は卵殻色のざんぐりとした土を用いています。緑・白二彩の大皿のうち、本器を含めた四点はやや肉厚の、深めのものであり、他の五点(図5のごとき)は肉の薄い浅皿です。文様も、前者は内面全体に施されているのに対して、後者は側縁の部分のみで、手法的にちがいがあります。
 本器は底部がやや内反りになっています。文様は内面が白釉を鹿の子斑様に散らしたようにみえますが、手法的には口縁部から順次中心部に向かって深めの円弧を段ちがいに重ねていったものです。外面は側縁の部分のみに三段に円弧を段ちがいに配しています。釉は濃淡の釉ムラがみられますが、よく溶けて流下しており、鮮やかな緑色を呈しています。内外面に重ね焼きのための目痕が三つあります。

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