大名物。唐物文琳茶入。
釉溜まりの一滴が玉のようなので白玉文琳の名があるのであるでしょう。
京都丸屋林斎所持に因み丸屋文琳の異名があります。
手取りはやや重く、置形の一なだれ、青白釉の釉溜まり、黄飴釉の光沢は共に文琳申まれにみる景色であるようで、一点の微瑕もないなどはまさに重宝に値します。
丸屋林斎ののち東本願寺、仙台伊達侯、徳川幕府(1703、元禄一六年)、松平伊賀守忠周(1708、宝永五年)を経て1913年(大正二)根津嘉一郎の蔵となりました。
現在は根津美術館蔵。
(『玩貨名物記』『古今名物類聚』『大正名器鑑』)