イスラーム陶器 いすらーま

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鶴田 純久の章 お話

イスラーム世界で製作された陶器は、技術や意匠の面で相互に影響を与えつつ、地域の特色も表しています。
フスタートのイスラーム陶器は、時代を追って、ピンク陶土に鉛釉、白い複合陶土にアルカリ釉、赤茶色の粗悪陶土に鉛釉という、大きく三つのグループに区分ができます。装飾技法は、多彩釉、釉下彩画、ラスター彩、刻線、削り落とし、貼付など、様々な技法が使用されます。
一方で、実用面のみを重視した単色の黄釉陶器や淡緑釉陶器なども出現しています。
ファーティマ朝(909-1171)期になりますと、東西交易の活発化によって、中国から良質の陶磁が輸入されるようになり、これに触発されて白磁や青磁などの中国製品を模倣した陶器も中近東地域で製作されるようになったようです。
マムルーク朝(1250-1517)期には、マムルーク陶器と総称される多彩釉刻線陶器が流行し、他の遺物と同様、市民生活の拡充に伴い、大量生産された製品が行き渡るようになったようです。

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