志野口透耳付花入 しのくちすかしみみつきはないれ

志野口透耳付花入
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鶴田 純久の章 お話
志野口透耳付花入
志野口透耳付花入

黄瀬戸・織部と同じ美濃窯で、志野もまた焼成されたことは近年の発掘で自明のこととなりましたが、それぞれが違った特徴を持っている中で、この花入は志野と織部の共通点を合わせもっているところに貴重な存在価値があるといえましょう。土はやや硬めであるが志野に類し、釉薬はまさしく志野であります。
これに対し口辺に彫られた透かしの形は、織部の角鉢などにみられるものであります。
さらに注目されるのは胴の上部を一巡している半円形の押し型文で、織部の茶入や茶碗に捺されている江存と伝えられる窯印と同一で、この辺に美濃窯のもつ特性がよくうかがわれます。
《寸法》高さ28.1 口径8.9~11.0 底径10.5~13.5《所蔵》滴翠美術館

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