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鶴田 純久の章 お話
染付花井文水注
染付花井文水注

高さ19.0㎝ 口径7.1㎝ 左右17.3㎝ 底径8.7㎝
 俗にケンティ形と呼ばれている水注で、十五世紀頃から東南アジア向けの輸出品として中国で焼かれていたが、伊万里の染付や赤絵のそれは、オランダ東印度会社の注文による輸出品として量産されたものである。
だが、この水注ほどな作振りのものは極めて稀で、まるい胴を五つ割りにしてその中に洋風の草花文をあらわし、地には亀甲文を埋め、頚と頸と注口には鍋島家の定紋である抱苓の丸文をあらわしている。
おそらく特別注文品であったと推測され、ヨーロッパから近年もたらされたものであるが、彼地でも類例は極めて稀なものであるらしい。
寛文から元禄にかけての作であろう。

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