高さ19.0㎝口径12.8㎝胴径18.5㎝底径7.0×7.3㎝ 姿といい絵付の調子といい、まさに李朝の壺そのままで、これが半磁胎釉が白かったら、李朝白磁鉄絵になるところです。こういう波動しながら伸びてゆく唐草文は、鶏竜山(李朝鉄絵の名品を生んた窯)の刷毛目鉄砂陶にしばしば出てくるテーマであります。釉はほとんど土灰単味のもので、つるりとして透明度が高く、そのために絵がはっきりと現れる。高台の内側は箆で不等角形に切込みされ、その中を浅く彫りさらえています。こういう底部の作りもいたって朝鮮風であります。この底部内にも釉がおよんでいますが、かせがひどい。