高さ8.5㎝口径14.7㎝高台径6.7㎝ これまであまり知られていない茶碗ですが、形の端麗な引き締った優碗であります。土や釉膚、形のとりかたなどは「深山路」に近いが、碗体は丸く高台がきりっと撥状に張って、呉器風の強い作行きであります。こういう高台の姿は、他に逸翁美術館の「奥高麗茶碗 銘 踞虎」が知られています。腰の下部に、あまり目立だないが高台脇に削りを入れた時の境の稜が立ち、そこから上と下で釉の膚あいが違っています。釉と地膚のなじみ方が違うからでしょう。そこに長石の滴りが流れて美しい景色を見せています。