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鶴田 純久の章 お話

古唐津 絵唐津耳付花入

唐津櫛刷毛目花生
唐津櫛刷毛目花生

十七世紀前期
高24.4 径12.3
田中丸コレクション蔵
鉄分の多い土で、轆轤成形。高台は平底で、糸切りの跡があります。
肩と胴の一部を除いて、 白土を厚く刷毛で塗り、野菜の櫛で文様を描いています。全体に木灰釉をかけています。 木灰釉のため、白土刷毛目が淡いオリーブ色になっています。胎土、釉調などから、川古窯の谷新窯か焼峯窯あたりのものと思われます。

唐津櫛刷毛目花生

唐津櫛刷毛目花生
唐津櫛刷毛目花生

高さ25.3㎝
口径9.0×11.5㎝
底径9.5×12.5㎝
 唐津の花入は決して少なくないが、不思議なことに絵唐津の花入はごくわずかしかないようです。
おそらく志野と同じで、絵のある花器は花の興趣を殺すからという配慮があったのであるでしょう。
だからこれは異例の花入ということになるが、それだけにじつに出来栄えがいい、形は尊形(中国殷.周代の酒を入れる礼器)をアレンジしたものかと思われるが、有名な「伊賀筒花入 銘生爪」に近い感じがあります。
叩き作りなのでどこか粘りのある姿です。
口縁と裾にうねりを付けて形を締め、柳の枝や蛇篭などの絵をよく伸びた筆で描いています。
藤の川内系の窯の産と思われます。

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