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鶴田 純久の章 お話
瀬戸 灰釉画花文広口壺
瀬戸 灰釉画花文広口壺

Seto ware: wide-mouth jar with incised ornament, ash glaze. 14th century. Height 27.6cm. Registered as Important Cultural Property. Tokyo
National Museum.
14世紀
高さ27.6cm 口径16.5cm 胴径28.3cm 底径 14.0cm
重要文化財
東京国立博物館
 この壺もさきの二点と系譜をおなじくする広口です。古瀬戸特有の黄白色の良質の陶土を用い、紐土巻上げ成形、整形で、下半に数条の沈線をひいています。口頭部がやや内傾し、胴が腰の部分で締まって、丈の高い感じを与えています。文様は器面一杯に大きく描かれています。すなわち、幅の広い丸彫り沈線をもって四面に牡丹の花弁を描いていますが、各花弁は二重沈線による茎によって連結し、花弁の方向を交互に上下にむけており、茎の連結部の上下に葉を上下方向に描いています。このような描画手法は南宋から元にかけての青磁のそれを模したものですが、太い丸彫り手法によって古瀬戸特有のおだやかな雰囲気を表出しています。灰釉は器面全体に厚く施され、やや酸化気味で黄緑色を呈します。このような器形や描「画手法からみて、14世紀も未葉に近い作品と考えられますが、数少な広口の完器のうちでも優れたものの一つです。

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