高さ14.2cm 口径10.8cm 胴径19.0cm 高台径9.3cm
唐津ならではといえるような素朴な作振りの壺である。胴は、裾張り気味に豊かに張り、低い口作りは、内に段をつけて端反り気味に、高台は、内部をまるく無造作に削り出している。胴には李朝の鉄絵に似た樹木のような文様がとぼとぼと四株描かれ、内外全面に灰を含んだ長石釉がかかっているが、一方は荒く貫入があらわれて白みがちに、他方は赤く焼き上がっている。鉄絵も赤銹色に発色している。高台畳付の一部に小砂が付着しているが、おそらく甕屋の谷窯が作であろう。