高さ9.0cm 口径36.2cm 底径10.5cm
出光美術館
口部を端反りにした大振りの皿で、 高台は極めて小振りに低く素直に削り出され、 口部にかけて緩やかなカーブを見せています。 見込いっぱいに枝を三方にのばした松の木を描いていますが、 松葉の表現は唐津独特のものです。 これと似た絵付の花入が美濃の元屋敷窯から出土していて、 おそらくこれらを焼いた甕屋の谷窯の陶工が、美濃におもむいたものと推測されます。 甕屋の谷窯では大皿に松の絵を描くことを好んだらしく、 図23 24も同窯の作ですし、この皿と似た大皿の陶片が甕屋の谷の窯跡から出土しています。高台まわりを除いた全面に釉が無造作にかけられています。