Dōnyü: tea bowl, known as “Kinoshita”, Black Raku
Mouth diameter 11.6cm
Raku Museum
高さ9.2cm 口径11.6cm 高台径5.6cm
樂美術館
口部から高台にかけて、まるみ豊かな穏和な作行きの茶碗です。
しかし随所に道入の手ぐせがよく示されています。全体薄作りで、ロ部を内に抱え込ませ、胴は緩やかにふくらみ、高台際から腰にかけてのまるみはまさに道入特有のものです。高台はやや高く、畳付は幅広く、高台内には渦兜巾をつけていません。見込にも茶溜りはなく、広く豊かに作られています。総体にかかった釉は漆黒色によく溶け、口部から胴にかけて全面に幕釉が厚くかかっています。高台畳付には大きくくっつきの跡があり、目跡は判然としません。箱の蓋裏には「ノンカウ作 黒茶碗 木下 (花押)」 と啄斎が書き付けています。
古来一部の数奇者の間で著名なものでした。
