縹地草花紋金更紗 はなだじそうかもんきんさらさ

縹地草花紋金更紗
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鶴田 純久の章 お話
縹地草花紋金更紗
縹地草花紋金更紗

十八世紀。
ジャワ付近で製作された金更紗には優美な感覚の裂が多いが、この帛紗もまたその一種である。
金更紗特有の繊細で感性的な異国情緒が、当時の人々の心を魅了し、縹色の深い地色に無限な憧れを感じさせたのであろう。
蔓紋を濃紺で下描きし、立涌風にその上から金泥で蕨模様のを加筆している。
落ち着いた地色の気品ある縹と、折枝風の花紋の赤が、金泥の縁取りによって一層鮮明なコントラストをなしている。
幕末に舶載されたこの裂は、早くから帛紗として使用され、特に煎茶の世界で珍 重さ:れ、大切に扱われてきた裂地である。
仕覆としても高麗三島・刷毛目など、はんなりとした明るい茶碗に向いているだろう。

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